ジェンダー

性はグラデーション(LGBT・SOGI・自身の性について)

「男らしくなったな」

ショックだった。
傍から見れば、久々に会った甥の成長を喜ぶ「何気ない一言」でしかなかった。

でも、僕は、わたしは、衝撃と同じくらい恐怖を感じた。
大人へと成長していくにつれ、エラは張り、骨格や筋肉はたくましく、体毛も濃くなっていく。

すごく嫌だった。
子どものままでいたい、大人になりたくない。

小学5年生の夏、叔父のたった一言で、
そんな風に自分の性の危うさを気付かされた。

性別は単純じゃない

LGBTやSOGIという言葉を聴いたことがあるでしょうか。
近年ではジェンダーをテーマにした映画や、運動なども盛んになってきて、耳にすることが多いように感じます。

  • LGBT=レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー
  • SOGI=性的指向(Sexual Orientation)・性自認(Gender Identity)

それぞれ上記のような略称になっていて、性別に関する用語です。

性的指向(Sexual Orientation)

性的指向とは、恋愛感情や性愛がどんな対象に向かうかを表す言葉です。
男性なのか女性なのか、性別は関係なく好きになるのか。
また、恋愛感情自体が湧かない人もいます。

性自認(Gender Identity)

性自認とは、自身の性別をどのように認識しているかを表す言葉です。
身体的な性とは関係なく、自分は男なのか女なのか、あるいはそのどちらでもないのか。
意識としてどう認識しているかの概念です。

LGBT

LGBTは、以下の内容をまとめた造語です。


ここで重要になるポイントは、レズビアン・ゲイ・バイセクシュアルは性的指向に、トランスジェンダーは性自認に関わる言葉であるということです。

LGBとTが一連になっているので混同されがちですが、性的指向と性自認はまったく異なる要素なので、注意が必要です。

例えば

  • 身体的性別は男性
  • 性的指向は男性に向いている

という人がいたとして「この人はゲイだ」と表現するのは、果たして正しいのでしょうか。

  • 性自認は女性

だとしたら「私は女性なのに…」と傷つけることになってしまいます。つまりこの場合は「トランスジェンダーの異性愛者である」とするのが適切です。

誤って人を傷つけないためにも、LGBTやSOGIについて正しく理解する必要があります。
そして、身近にもLGBTの方々がいるんだという認識を持って、日常を過ごすことが大切です。

性はグラデーション


性的指向や性自認、LGBTについて説明しましたが、個々の性はそれだけでは表しきれません。他にも様々なセクシュアリティが存在します。

アセクシュアル

他人に対して、恋愛感情や性的欲求を抱かないセクシュアリティです。
Aセクシュアル、無性愛とも言います。

似た言葉として、アロマンティックやノンセクシュアルも使用されることがあります。
この場合、違いとしては以下のようになります。

  • アセクシュアル=他人に性的欲求を抱かない
  • アロマンティック=他人に恋愛感情を抱かない
  • ノンセクシュアル=他人に恋愛感情は抱くものの、性的欲求は抱かない

流動的に変わったり、何かをキッカケに変わる場合もあるようです。

パンセクシュアル

性別に関わらず、あらゆる人が、恋愛感情や性的欲求の対象になるセクシュアリティです。
全性愛とも呼ばれます。

「男性/女性のどちらもが対象になる」バイセクシュアルとは異なります。

パンセクシュアルは、男性/女性はもちろん、Xジェンダーやクエスチョニングなどあらゆる性自認を持つ人も対象になります。「好きになった人が好き」ということです。

Xジェンダー

性自認が、男性/女性のどちらともつかない人のことを表します。
こちらの定義は、代表的に以下の4つに分けられます。

  • 中性=男性と女性の中間点に位置する性自認
  • 両性=男性でもあり、女性でもあるという性自認
  • 無性=男性でもなく、女性でもないという性自認
  • 不定性=上記3つに該当せず、タイミングや場面で流動的に揺れる性自認

クエスチョニング

性自認や性的指向が定まっていない、または自身の意図で定めていないセクシュアリティです。

  • 決まっていない方が生きやすい
  • 決めかねている
  • どれも自分ではない
  • そもそも決まっていることが不自然

など、様々な理由で定まらない・定めていない人たちが存在します。

Xジェンダーとの定義の差が難しい概念でもあります。

様々なセクシュアリティ

紹介してきたセクシュアリティ以外にも、トランスヴェスタイトやクロスドレッサーなど、性表現を主とするものがあったり、性別というものは多様な要素が絡み合うものなのです。

社会的には「男性/女性」と二元化されていることが多いです。
しかし本来性別とは、クッキリとしたものでなく、グラデーションとして存在しているのです。

大人になってから気づいた性

僕は体が男性、恋愛対象は女性。
今まで疑うことなく自分が「男性」だと思って生きてきた。

でも、多様なセクシュアリティを持つ人たちと関わったり、勉強したり、性に関するコンテンツに触れていく中で「本当に自分は男性なんだろうか」と、自身の性自認について悩むことが多くなった。

服はレディースの方が好き。
化粧が羨ましい。
美しく生きている女性に憧れる。
「わたし」という一人称がしっくり来る瞬間がある。
カワイイと言われることが嬉しい。

僕は、わたしは、男性なんだろうか、女性なんだろうか。

そんな中、冒頭に書いた「男らしくなったな」という言葉を思い出した。
あの時感じたショックは、確かなものだった。

「男らしい」より「カワイイ」の方が好き。

でも死にたくなるほど、現状が嫌なわけでもなく、気に入っている部分もある。
だから声優にもなったわけで。

僕は日々、男性と女性を行き来していて、
「X-ジェンダー」や「クエスチョニング」に該当するんだと思う。

今は、そんな感じ!


こんな風になれたらなあとか、憧れを込めて、最近自分を女性化したりして遊んでみてます。FaceAppというアプリです!オススメ

さいごに

自身の性についても交えつつ、性別に関することを書いてみました!
ここまで読んでくださった方には、感謝しています!

これを機会に、身の回りの性について少しでも考えて頂けたら嬉しいです。

それでは、また!

 

参考サイト

東京レインボープライド2021

JobRainbow MAGAZINE

POSTED COMMENT

  1. たろ より:

    性別よりも、その人がどんな人なのかの方がよっぽど大切ですよね。
    (身体的性別は色々な場面で重要ではありますが)
    石黒さんは石黒さんのままで、楽しく人生を謳歌しましょう!

    • fumitake より:

      たろさん、はじめまして。ありがとうございます!
      たろさんのお人柄が文章から伝わってきました…すごく嬉しいです!
      人生1度きりですもんね。楽しく生きていきたいです!
      温かいコメント、本当にありがとうございます。

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